忘恩の地から吹く風
Stage 1 幻想風穴
魔理沙:「洞窟の中なのに風が凄いぜ」
???:(……おーい、聞こえるかねぇ)
魔理沙:「……聞こえていないかもしれない」
にとり:(……聞こえているな、私よ)
魔理沙:「姿が見えないのに私とだけ言われても判らん」
???:「おお?
人間とは珍しい」
「やっぱり地底のお祭が目当てなの?
そんな顔しているし」
にとり:(出た! 蜘蛛だよ、土蜘蛛だよ)
魔理沙:「蜘蛛……?
そうか?」
暗い洞窟の明るい網
黒谷 ヤマメ
Kurodani Yamame
ヤマメ:「一発でばれちゃったみたいね」
「折角、久しぶりの獲物だと思ったのに」
「あんた、ただ者じゃないね」
にとり:(やい土蜘蛛! これからお前を
ぎったんぎたんにしてやる!)
ヤマメ:「面白い人間ね
気に入ったよ、相手をしてやる!」
にとり:(はいどうぞ
頑張って)
魔理沙:「おいおい」
─────────────────────
けしか
魔理沙:「お前が 嗾 けるから無用な争い事を
してしまったじゃないか」
にとり:(だって、彼奴は
いつも川を汚すんだもん)
魔理沙:「先が思いやられるぜ」
地上と過去を結ぶ深道
Stage 2 地獄の深道
魔理沙:「この穴は何処まで続いているのかねぇ」
にとり:(あとちょっとで旧都だね)
魔理沙:「旧都?」
にとり:(我々の仲間だった奴らが住んでいる
地底都市の事だよ)
魔理沙:「何だって?」
????:「もしかして人間?」
「人間がが旧都に何の用?」
魔理沙:「あ、いや
特に用はないと言いたいところだが」
地殻の下の嫉妬心
水橋 パルスィ
Mizuhashi Parsee
パルスィ:「迷い込んできたの?
だったら上を目指して帰った方が良いわ」
「輝かしい光の注ぐ地上にね」
にとり:(みんなが忌み嫌う力を持った
奴らが都市ごと隔離されたんだ)
(こいつは嫉妬心を操る妖怪
ちゃっちゃと倒しちゃって)
魔理沙:「いやまぁ
倒す事は吝かでもないのだが」
「何だか話が読めないぜ
何で私が地下を目指してるんだっけ?」
にとり:(温泉でしょ?
温泉が欲しければ地下を目指せ)
パルスィ:「独り言が多いね」
「ま、一人ぐらい勝手に倒しちゃっても
誰も文句を言うまい」」
─────────────────────
魔理沙:「何だか判らんが、温泉が出るのならいいか」
にとり:(さあ、もうすぐ旧都だね)
魔理沙:「旧都にはどんな妖怪が棲んでいるのだ?」
にとり:(忌み嫌われて封印された奴、
その身を厭い自ら土の下に封じた奴)
(人付き合いが苦手でこもっている奴
それから……)
魔理沙:「何か行きたくなくなってきたぜ」
忘れられた雪の旧都
Stage 3 旧地獄街道
??:「あんた、なかなかやるね」
「何者か知らんけど、
暴れる奴には暴れて迎えるのが礼儀ってね!」
─────────────────────
??:「気に入った!」
「もっと愉しませてあげるから
駄目になるまでついてきなよ!」
にとり:(こいつは厄介な相手に
気に入られたもんだね……)
─────────────────────
魔理沙:「何なんだ?
こいつもその忌み嫌われた妖怪なんだろ?」
にとり:(……)
??:「どうした?
もう降参かい?」
パチェ:(どうも、まさか貴方みたいな人に
目を付けられるなんてねぇ)
魔理沙:「うん?
知り合いか?」
かっぱ
にとり:(この方は、 私達 や天狗の大ボスの鬼)
語られる怪力乱神
星熊 勇儀
Hoshiguma Yugi
勇儀:「なんだ?
独り言かと思ったらその珠と会話しているのか」
にとり:(山は留守の間だけ、私達と天狗が
預かっている事になってるのさ)
(もう、長い間留守だったんで
平和だったんだけど……)
魔理沙:「鬼なら既に一匹幻想郷に居るじゃないか」
にとり:(あの方にも頭が上がらないのよ
もう上司が増えるのは懲り懲り)
勇儀:「いかにも、私は山の四天王の一人、力の勇儀」
「といっても、もう地底に降りて来ちゃったので
山には行ってないけどね」
にとり:(どうかそのまま地上には出てこないで
ください、って言ってよ)
魔理沙:「あはは、お前はボスに見つかるのが嫌だから
私に行かせたって事か?」
「とんだお笑いぐさだぜ
こんな奴倒しちゃえばいいじゃん」
勇儀:「……話が読めないな
どうやら、その珠は私を知っているようね」
魔理沙:「いいんだ、ここから先は私の出番
さあ、そこを通して貰おうか!」
勇儀:「その珠の正体が気になるけど……
まずは、売られた喧嘩を買わないとね!」
─────────────────────
勇儀:「お見事!」
「何かと不思議な奴だが、腕っ節が強い奴には
悪い奴はいない」
にとり:(さ、次に行こう次に)
魔理沙:「次って行き先判ってるのか?
そもそもお前の目的もよく判らん」
にとり:(目的は温泉で相違ない
地上に間欠泉を出してる奴を探せ)
魔理沙:「うん?
お前もやっぱり温泉が目当てなんだな」
「河童が温泉で酒呑んでるのは
絵になるからなぁ」
勇儀:「その珠からの声……
河童の声なのか」
「おーい、聞こえるかい?
珠の河童よ」
にとり:(ひゅい!?)
勇儀:「山では平和に楽しくやってるかねぇ」
にとり:(へえへえ、全くお変わりなく)
勇儀:「心配するな
別に山を取り返そうとか思ってないさ」
にとり:(……たまにはお酒呑みにでも
遊びに来てやってください)
(みんな忙しくしてますがね)
誰からも好かれない恐怖の目
Stage 4 地霊殿
魔理沙:「間欠泉を出してる奴ねぇ
この屋敷で合ってるのか?」
にとり:(地底はこの旧都で終わりではない筈)
(もっと地下深くに降りる手段が
ある筈なんだ)
魔理沙:「詳しいんだな
何か私に隠してないか?」
にとり:(どうもこの屋敷の下から熱風が
吹いている)
(どこかに地下に降りる穴か何かが
ありそうだ)
魔理沙:「ふむ、お前は何か知っているな?
ま、家捜しなら協力してやってもいいんだが」
???:「……来客?」
「もしかして人間?
まさかね、こんな所まで来られる筈がない」
魔理沙:「おっと家人に見つかっちまった
こうなったら口封じをするしかないぜ」
にとり:(頑張れ~、何か強そうだけど)
魔理沙:「地獄の底で眠る覚悟は出来たか?」
???:「……強盗ね
愚かな」
「……間欠泉? 地下へ潜る穴?
なんだ、そんな物を探しているの?」
魔理沙:「あん?
私が何か言ったっけ?」
???:「温泉が欲しいのね?
河童と協力する振りをして」
にとり:(おん?)
魔理沙:「……
お前は何者だ?」
怨霊も恐れ怯む少女
古明地 さとり
Komeiji Satori
さとり:「私はさとり、この地霊殿の主です」
「貴方の考えている事は全て筒抜けなのですよ
私の第三の目で……魔理沙さん」
魔理沙:「なんだって?
まだ何も言っていないのに」
にとり:(おい、さっさとやっちまいなよ)
魔理沙:「あ、あー? まあそうだな
倒してこの家を捜査するしかないな」
さとり:「心が読めるだと?
何かインチキに違いない」
「本当だったら今から考える事も判る筈だ」
「かっぱっぱー、かっぱっぱー
きゅうりのキュウちゃん丸かじりー」
魔理沙:「お、本当なのかよ!
心が読めるってのは」
「こんな奴に勝てるのか?」
にとり:(心を無にして戦えばいいんじゃん?)
魔理沙:「そ、そうだな」
さとり:「心の中で『無心、無心』
って唱えてもねぇ」
「まあ、人間と会うのは本当に久しぶりだから
戦うのも悪くはないわね」
「貴方の心の中には美しい弾幕があるわね」
「貴方の心の中にある美しい弾幕で
生ぬるい地上へ逃げ帰れ!」
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さとり:「さあ、これからが本番よ!」
トラウマ
「眠りを覚ます恐怖の記憶で眠るがいい!」
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さとり:「なかなか強かったわ
やっぱり人間を襲うのは良いわね」
にとり:(……お、私の弾幕じゃないの
細部は違うけど)
魔理沙:「たまたま頭の中に浮かんだ攻撃を
やられるとはな……」
さとり:「さあ、貴方の望みはなんでしたっけ?
……ああ、間欠泉の話ね」
「それでは中庭に案内しましょう
そこに地底最深部に通ずる穴があります」
魔理沙:「あいよ
あ、そうだにとり、お前の企みが知りたいんだが」
にとり:(……そうねぇ。間欠泉の根元にいる
妖怪に興味があってね)
魔理沙:「間欠泉の根元にいる妖怪?」
にとり:(ま、あんたには関係無い話さ
個人的な用事だよ)
魔理沙:「話の通じない奴だな。折角、二人で山分けで
手を打ってやるつもりなのに」
さとり:「『宝があったら独り占めしてやるがな』
ですって、気を付けて珠の向こうの河童さん」
魔理沙:「うひょ
ここは早く立ち去ろうぜ!」
昔時の業火
Stage 5 灼熱地獄跡
魔理沙:「あー暑い暑い!
なんじゃここは」
にとり:(ここは……?
本物の地獄の様な場所だね)
(ふっふっふ
見えて来たよ見えて来たよー)
魔理沙:「いいなお前は
この暑さを体験しないで済むんだもんな」
魔理沙:「……またあの猫だ」
「お前の珠が魚臭いんじゃないのか?
その臭いにつられて猫がさー」
にとり:(そうかな?
くんくん)
??:「じゃじゃーん」
「別に魚の臭いがした訳じゃない
人間の死体の臭いがしただけさ!」
魔理沙:「おお?
猫が大きくなったぞ……って」
「死体の臭い、だと?」
??:「強い人間の死体の臭い
運び甲斐がありそうな死体!」
にとり:(なんだこいつ
不気味だね)
地獄の輪禍
お燐
Orin
お燐:「さっきのさとり様の所で聞いたよ」
「間欠泉の根元にいる妖怪を探しているんだって?」
「止めときな止めときな
その妖怪は最悪の鳥の事だ」
「お姉さん、相当腕が立つようだけど
危険極まりないよ!」
にとり:(最悪の鳥……?
それだ! それに会うんだ魔理沙)
魔理沙:「あん?
誰に命令してるんだ?」
「お前の目的がよく判らないが
何か宝の匂いがするぜ」
にとり:(判ったよ。無事に目的の物が
手に入ったら少し分けてやるよ)
魔理沙:「話が早いねぇ
じゃ決まりだ、行くぜ!」
お燐:「あらららら、強い死体のお姉さん
行っちゃうのかい?」
魔理沙:「猫とじゃれている暇は無くなったぜ」
お燐:「嬉しいねぇ
そんなに死に急ぐなんてね」
「お姉さんの強い死体、魂
さぞかし車が重くなるだろうねぇ」
─────────────────────
お燐:「素晴らしい!
強くて感動したよ」
にとり:(さ、行こう行こう!
お望みの力はもうすぐだ!)
魔理沙:「お望みの力ってどんなのなんだ?」
にとり:(噂によると、今のエレキテルの
何倍ものエネルギーを持ち)
(全ての機械技術が
革命的に進化するという)
お燐:「あいつの力の事ね?
お姉さん、それが目当てかい?」
「あはははは、楽しいねぇ
私が止める必要なんて無かったね」
「ここだけの話、あいつが持っている
強大な力ってのは、神様の力なんだって」
「うちら地底の動物は怨霊や魑魅魍魎を
喰らって強くなるんだけど」
「あいつは何故か神様を喰らったんだな」
魔理沙:「なるほどな
どういう力か判らんが」
「私の魔法の研究にも
少しは足しになるといいんだが」
荒々しき二つ目の太陽
Stage 6 地底都市最深部
お燐:「そうそう、一つ忘れてたよ」
魔理沙:「?」
ここら
お燐:「地獄の底で死ぬとみんな焼けて灰すら残らない
死体が欲しけりゃ」
「やっぱりあたいがお姉さんを仕留めないとね!」
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魔理沙:「何だよ、進めば進むほどに暑いじゃないか!」
「お前の望みはこの灼熱の力なのか?」
にとり:(噂ではその力は相当高温高圧になると
言われている)
(究極にして最後のエネルギーだと
言われてるのに)
(こんな地熱レベルである筈がない)
魔理沙:「こんなって、わたしゃこんがり焼けそうだよ
ほんとに……」
?:「話はお燐から全て聞いたわ」
「私の力の素晴らしさを認めに
人間がやってきたって」
にとり:(来たー
こいつこいつ!)
魔理沙:「お前、楽しそうだな
お酒でも呑んでいるのか?」
にとり:(だって一番乗りよ? 我々河童の仲間
でこの力に嗅ぎつけたのは)
?:「ふふふ、あら地上でも私の話題で
持ちきりだったのね? 嬉しいわ」
「でもどうやって私の事を調べたの?」
にとり:(山の神様に教えて貰ったんだ
河童の技術水準を上げられる、って)
?:「え? 山の神が何で……?」
魔理沙:「おい、盛り上がってるところすまんが
その、お前の力って何なんだ?」
「何で河童の技術水準が上がるんだ?」
熱かい悩む神の火
霊烏路 空
Reiuzi Utsuho
空:「私は、ある神様の力を取り込んだわ」
ヤタガラス
「黒い太陽、 八咫烏 様
この力は、太陽の力と同じ」
魔理沙:「太陽の力ってなんだ?
光合成か? 日焼けか?」
にとり:(馬鹿だなぁ
魔法使いなのに勉強不足だよ)
(太陽のエネルギー
それは超高温、超高圧の世界)
空:「核融合ですわ」
「核エネルギーは超高温を半恒久的に
産み出す究極の力、八咫烏様の神徳よ」
にとり:(核融合は超高温故に扱いが難しいと
言われてるが……)
(ここに制御できる烏が居ると)
魔理沙:「凄いな
太陽と同じ力かー。私も欲しいぜ」
にとり:(だろう?)
(だから魔理沙
こいつを生け捕りにして!)
魔理沙:「うぉーいマジかよ!
究極の熱を操るんだろ?」
空:「核融合の力をどう使うかは、その人次第
貴方は持ち帰って何に使うのでしょう」
「究極の乗り物? 究極の武器?
それとも究極の魔法?」
「でも、私は再び灼熱地獄を生み出したいの
地上を溶かし尽くしてね!」
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