- 鐵幣
- 26461 元
- 文章
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- 聲望
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- 上次登入
- 19-10-17
- 精華
- 175
- 註冊時間
- 05-12-25
- UID
- 215856
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概要
海中においては、短波・超短波などは非常に減衰が激しく、通信には全く適していない。海中の潜水艦と長距離通信を行うためには、減衰が少ない超長波が用いられている。超長波はアンテナの長さがキロメートル単位となり、軍事的に見て、通信施設を地上に設置した場合、その大きさから非常に脆弱である。そのため、通信設備一式を航空機から通信中継を行うことが考えられた。この機体はTACAMO(Take Charge And Move Out)機と呼ばれる。
アメリカ海軍は、1960年代より輸送機を改造したC-130GおよびC-130Qを使用していたが、旧式化に伴い、後継機としてE-6が新たに開発されることとなった。開発は1986年より開始された。ボーイング707-320を改造母機とし、通信機材の充実、胴体上部への空中給油装置の付加、エンジンの強化・換装が行われた。また、急旋回に対応するため、一部胴体の強度が強化されている。なお、空中給油装置はフライングブーム式に対するものである。
通信機材は、VLF用のものとして1,220mおよび7,925mのアンテナが装備されており、重しを兼ねる吹流しをつけて胴体後部より展開される。翼端のフェアリングにESMアンテナやHFアンテナを装備している。
初飛行は1987年6月18日に行われた。1989年より部隊配備が始まり、16機が生産された。当初の愛称はハーミーズであったが、1991年にマーキュリーに変更されている。1990年代半ばから通信中継のみではなく、戦時における空中指揮機の任務も果たせるように、通信機材の更なる増強などの改造が全機に対して行われた。この型はE-6Bと呼ばれ、機体上部への衛星通信アンテナの設置などが行われている。
配備当初は24時間空中待機任務についていたが、1992年以降は地上待機となり、アメリカ統合戦略軍第一戦略通信航空団で集中運用されている。通常の運用方法は、指揮官1名・パイロット4名・通信員7名を載せ、基地より約2,000キロ進出し、そこで通信中継を行う。VLF通信時は長大なアンテナを空中に垂らし、それを垂直に保つために旋回を続ける事となる。 |
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