- 鐵幣
- 26461 元
- 文章
- 11533 篇
- 聲望
- 11136 枚
- 上次登入
- 19-10-17
- 精華
- 175
- 註冊時間
- 05-12-25
- UID
- 215856
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調達
1991年(平成3)までは、一般の航空雑誌にも「航空自衛隊はE-3 AWACSを装備する[3]」とされており、予算が承認される直前まで防衛庁もE-3の導入を念頭に置いていたことがうかがえる。しかし、同じ年にE-3の母体となるボーイング707型機の生産が終了してしまったことから、防衛庁は平成4年度予算での発注をいったん見送った。翌1992年(平成4)にボーイングが提案したボーイング767型機の改造機“767 AWACS”を採用することとし、平成5年度予算で2機(1,139億6,100万円、1機あたり569億8,000万円[4])、平成6年度予算で2機(1,080億9,600万円、1機あたり543億4,800万円[4])の計4機を発注した。防衛庁の文書でも示されていたように、E-2Cは約86億円、E-3Aは約296億円であり、E-767はそれらよりもはるかに高額(E-2Cの約6倍、E-3の約2倍)であったが、当時の大蔵省(現在の財務省)は一切予算を削減せず、防衛庁の言い値で調達費を承認した。これには、極端な対米貿易黒字に悩む大蔵省の日米貿易不均衡の是正を少しでも進めたい意図が絡み、対米的な配慮も含む政治的な側面を含んでいる[5]。
なお、ボーイング767の製造は日本企業が全体の15パーセントを担当しているため、ただ購入するだけとなるボーイング707と違って日本企業にも調達費の一部が環流されたことになる。
調達は2段階にわけて行われた。第1段階として日本政府がボーイングからボーイング767型機を民間機として購入し、第2段階としてFMS(海外有償援助)によってAWACSに改修された。FMSが必要なのは、AWACSとしてのシステム化、完成した機体のシステム・チェックなどにはアメリカ空軍の協力が必要であるためである。実際の作業としては、まず、ワシントン州エバレットの工場で基本となるボーイング767を建造する。完成した機体はカンザス州ウィチタにある改修センターに送られ、機体構造改修が行われる。再びワシントン州エバレットに戻され、ロートドームの装備などが行われた後、ワシントン州シアトルのボーイング・フィールドで飛行試験が行われた。この作業が終わった段階で、伊藤忠商事を通じて航空自衛隊に引き渡しとなった。ここからはFMSであり、機体は米軍に渡されミッション機材の設置と試験が行われた。最終飛行試験は再びボーイング・フィールドで行われ、最終引き渡し形態として航空自衛隊に納入された。 |
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